鴻朧館
游月山荘

有馬温泉 月光園便り

有馬温泉 月光園よりお得な情報をお伝えします。

月光園のお茶室


月光園にはお茶室があります。
名前は拈華庵(ねんげあん)といい、鴻朧館の2階にあります。

ちなみに、鴻朧館のフロントは3階です。

姉妹館の游月山荘と館内で繋がっているのですが、
なにぶんにも山の中にあるので、鴻朧館の正面玄関は3階に。客室は5階からという形になっています。
だからといってお茶室やバーのある2階が地下というわけではありませんでした。

今日なぜ突然お茶室の場所を言い出したかといいますと、
月光園では立ち居振る舞いのお稽古のために茶道を習います。
私の第一回目のお茶のお稽古が今日でした。
というわけで、今日はお茶室に初めて入りました。
窓の外に青々とした山が綺麗です。教わったとおりに歩こうとすると足が混乱しましたが。

さて、茶道といえば千利休。
千利休といえば有馬温泉が大好きでいらした太閤秀吉。
太閤秀吉といえば、金の茶室を作ったと言われていますよね。

そのお茶室なのですが、今日始めて知ったことがあります。
畳の山の数って、ご存知ですか?
先生いわく、本間の畳には64あるそうです。
その64という数は、昔の日本の国の数(丹波、備中、肥後など)をあらわしているとのこと。

畳のフチの布を巻いてある部分、お作法上踏んではならないと教わりました。
その理由があるのですが、先生いわく。
『黒の麻を巻いてあり、黒の麻は僧侶の方の衣と同じ。』
なので、正座のまま膝でするように“越す”ことは良くても、足で踏んではいけないそうです。

その畳のフチですが、巻かれた布の端。
片方は畳の目のふくらみの終わりにあり、もう片方はふくらみの真ん中にあります。
これも意味があって、『山と谷』なんだそうです。
なので、片方の布の端がふくらみの真ん中にあるのが正しいそうです。
いかにも山岳国家日本!といった感じですね。

以前、テレビで『日本人には日本が足りない』というコマーシャルがありました。
今日お稽古を受けたことで畳の面白いお話を教わることができました。
当たり前に過ごしている日常の中にまだまだ知らない日本ならではのお話がたくさんあるのでは?
そう思うと、お作法を覚えることも楽しみですが、
日本の昔の人たちが作り上げてきたものに込められた意味を知るのも楽しみです。

平成19年9月12日(水)
有馬温泉月光園 岡本

ヒダカミセバヤ


六甲高山植物園のロック・ガーデン上部でヒダカミセバヤと言う花が見ごろだそうです。
中央が濃いピンク色で、周りが薄いピンク色の花が集まったような・・・
アジサイに似ていると思ったのは私だけでしょうか?

この愛らしい花の名は、ヒダカが地名。
ミセバヤというのが『美しい花を君に見せてあげたい、君にみせばや・・』という意味だそうです。
旅に出た先でふと何かをきっかけにその場にいない人や、遠い日の思い出を思い出す。
そんなことを名づけた人は思ったのでしょうか。

ベンケイソウ科、という種とのこと。
弁慶を連想する種の名に、可憐な花と遠くを想うような名前。

名づけた人に想われた方は愛らしくも芯の強い方だったのかしら、と想像してしまいます。

月光園では各お部屋に鴻朧館の写真入りの絵葉書をご用意しております。
旅先から便りを出す。
そのひと筆が送る側の方も受け取る側の方にも、
いつもと違う場所からという特別な想い出を増やすことかと思います。
この有馬でふと想った方へのお便りにぜひご利用くださいませ。

平成19年9月9日(日)
有馬温泉月光園 岡本

床の間

床の間(とこのま)とは、日本の住宅の畳の部屋に見られる座敷飾りの一つだそうです。
客間の一角に掛け軸や活けた花を飾る為の空間、ということですが、
私は上座下座の目印になってくれるという点で便利さを感じていました。

月光園のそれぞれのお部屋には床の間に掛け軸と生け花を飾っております。
定期的に生けかえさせていただいているので、今日は今のお花をご紹介します。

南天と小菊はまだ咲いてはおりませんが、
青々とした南天の葉とそろって爽やかですよね。

赤いケイトウ。
私は昔、ケイトウの花から毛糸ができているのだと信じておりました。
今となってはなぜそう思ったのか。
おそらく『ケイトウ』と『毛糸』を聞き間違え、『毛糸の花』だと思ったのでしょう。

あのふわふわとした花が『毛糸の花』という
間違った名前に反しないイメージだったことも理由のひとつかもしれません。
でも、本当に『毛糸の花』だったら、すごく色が限定されてしまいますから、
手芸洋品店には赤や黄色のような明るい色ばかりで、紺などの深い色がなかったことでしょう。
メルヘンチックでかわいいかもしれませんが、目がチカチカしそうです。

定期的に生けかえてそれぞれのお部屋へ飾るこれらのお花たち。
掛け軸共々、和室の雰囲気を彩るものでございます。
月光園をご利用の際にはぜひ、客室や館内様々な場所を彩る姿もお楽しみいただけたらと思います。

平成19年9月8日(土)
有馬温泉月光園 岡本

アサマフウロが元気だそうです!


現在六甲高山植物園では、ロックガーデンでアサマフウロが見ごろだそうです。
鮮やかな紫の花弁が五枚。湿り気のある高原の草地などに生えるフウロソウ科のお花で、
アサマフウロは日本のフウロソウ属の中で最大の花を咲かせるそうです。

フウロソウ、といわれてもあまりピンと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も最初は「ん?」と首を傾げましたが、
フウロソウというのは洋名のゼラニウム(Geranium)だそうです。
私自身長らく読んでおりませんのでうろ覚えなのですが、
ゼラニウムといえば、私はルーシー・M・モンゴメリの『赤毛のアン』を思い出します。
題名だけでも目にされた方が多いと思いますが、実はあの赤毛のアンには続きがあり、
アンの青春や、結婚後の幸福などを描いた作品が続編として出版されているのです。
その中の、あのグリーンゲイブルズに住み始めたころよりずっと大人になったアンと友達たちが
確か村の角地か叉路になった部分に植えようと言い合っていたのがゼラニウムだったと記憶しています。

10年ほど前の記憶になりますのであいまいなものですが、
プリンスエドワード島のアンの家、グリーンゲイブルズ。
今はそのモデルとなったモンゴメリーのいとこの家がプリンスエドワード島にあるそうです。
草木に囲まれた穏やかな、でも元気と笑顔に溢れた町並みを想像すると、
その町角の足元に種類は若干違っても、色鮮やかに咲き乱れていたら思わず笑顔になってしまいそうですね。

平成19年9月1日(土)
有馬温泉月光園 岡本

【有馬温泉月光園便り】皆既月食

今日は、約3年ぶりに日本で皆既月食が見られます。

神戸では、月の出、日没共に18:30頃になります。
月が欠け始める「月食」が始まるのが17時50分頃、月が見えなくなる「皆既食」が始まるのが18時50分頃ですので、神戸では約66%欠けた状態での「月の出」ということになりますよね。

皆既食(月が見えない状態)は約1時間程度続きます。

この、皆既月食とは「太陽」-「地球」-「月」の軌道が一直線上に並んだ時に起こります。
太陽の光を地球が遮り、その影の中に月がすっぽり入ってしまい見えなくなってしまう事で起こる現象です。
この為、皆既月食が起こるのは満月の時だけということになります。
実際には、地球の影にすっぽり月が入ってしまうので、月が太陽光を直接浴びることはありませんが全く見えなくなるのではなく赤い月影が残ります。
これは、地球の大気圏を通過した太陽光の内、波長の長い「赤色」が内側に屈折し月をわずかに照らすためです。

小学校の時に「月食」や「日食」のメカニズムを習ったと思いますが、改めて調べてみると非常に面白いですね。

今日の天気予報では神戸は曇りで、降水確率は50%と高くなっております。
関西圏で皆既月食を見るのは難しいかもわかりませんね。

平成19年8月28日(火)
有馬温泉月光園 幸坂