放射冷却
有馬温泉も、すっかりと冬らしい気候になってまいりました。
コートとマフラーが必須の季節です。
ここ数年、雪は少なくなってきましたが、有馬温泉は標高およそ360mに位置し、やはり朝夜はぐっと冷え込みます。
今日は、放射冷却についてのお話です。
私は、自宅から車通勤を行っているのですが、毎年この季節には同じ場所で事故を見ます。
今年も、同じ場所で既に大きな事故があったようです。
そこは、国道176号線の「道場〜三田間」で、国道の下を小さな川が流れており、ちょっとした橋になっているのです。明らかに「橋」であれば、土地勘のない方でも警戒するでしょうが、ここは橋であることにも気づきにくい状態。そして、この橋はすごく氷やすい上にカーブとなっております。
私たち地元の人間は、その場所を警戒するのですが、途中の道路が“凍結”を微塵も感じさせない状態であれば、土地勘のない方はスピードに乗ったままこの橋に差し掛かるでしょう。しかも2車線の大きな国道であればなおさらですね。
しかし、晴れていて雨の形跡もないのに突然道が凍っているのは何故でしょう。
これが「放射冷却」によるものです。
それでは、放射冷却とは一体なんでしょう。
昼間に太陽の発する赤外線により、地面が温められる。
太陽が沈んだ瞬間より、地面が蓄えた赤外線を放出し始めます。
これが放射冷却です。
そして、曇っている日には地面が放射した熱を雲が吸収し、その一部を再び地面に向け放射するので地面は冷えにくくなります。
しかし、雲がなく晴れている日は、放射された赤外線が宇宙に放たれ続けます。という事で、晴れている日こそ、この放射冷却による地面の冷え込みが激しくなるのです。
そして、日没からこの冷却が始まるのであれば、朝方の「太陽が昇る前」が一番地面の温度が下がっている事になります。
そして、問題の「橋」に関しては空中にあるため地熱の供給もなく、冷えつづけるのです。
そして、冷えた地面に触れた空気中の水分が凍り、「晴れているのに凍っている」状態が出来てしまうのです。
この、放射冷却による地面と空気の温度差はひどい時には10℃近くになる時があるようですので、「車の温度計が氷点下でないから、地面は凍らない」という考えは間違っています。
しかも、放射冷却による凍結は橋の上に限らず、その日の天気や風、地形などいろいろな状況によりどこで起こっているかわかりません。
ということで、この季節の車の運転には注意が必要という事です。
特に、早朝出勤される皆様はお気をつけくださいませ。
平成19年12月23日
有馬温泉月光園 幸坂
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