鴻朧館
游月山荘

有馬温泉 月光園便り

有馬温泉 月光園よりお得な情報をお伝えします。

ヒダカミセバヤ


六甲高山植物園のロック・ガーデン上部でヒダカミセバヤと言う花が見ごろだそうです。
中央が濃いピンク色で、周りが薄いピンク色の花が集まったような・・・
アジサイに似ていると思ったのは私だけでしょうか?

この愛らしい花の名は、ヒダカが地名。
ミセバヤというのが『美しい花を君に見せてあげたい、君にみせばや・・』という意味だそうです。
旅に出た先でふと何かをきっかけにその場にいない人や、遠い日の思い出を思い出す。
そんなことを名づけた人は思ったのでしょうか。

ベンケイソウ科、という種とのこと。
弁慶を連想する種の名に、可憐な花と遠くを想うような名前。

名づけた人に想われた方は愛らしくも芯の強い方だったのかしら、と想像してしまいます。

月光園では各お部屋に鴻朧館の写真入りの絵葉書をご用意しております。
旅先から便りを出す。
そのひと筆が送る側の方も受け取る側の方にも、
いつもと違う場所からという特別な想い出を増やすことかと思います。
この有馬でふと想った方へのお便りにぜひご利用くださいませ。

平成19年9月9日(日)
有馬温泉月光園 岡本

床の間

床の間(とこのま)とは、日本の住宅の畳の部屋に見られる座敷飾りの一つだそうです。
客間の一角に掛け軸や活けた花を飾る為の空間、ということですが、
私は上座下座の目印になってくれるという点で便利さを感じていました。

月光園のそれぞれのお部屋には床の間に掛け軸と生け花を飾っております。
定期的に生けかえさせていただいているので、今日は今のお花をご紹介します。

南天と小菊はまだ咲いてはおりませんが、
青々とした南天の葉とそろって爽やかですよね。

赤いケイトウ。
私は昔、ケイトウの花から毛糸ができているのだと信じておりました。
今となってはなぜそう思ったのか。
おそらく『ケイトウ』と『毛糸』を聞き間違え、『毛糸の花』だと思ったのでしょう。

あのふわふわとした花が『毛糸の花』という
間違った名前に反しないイメージだったことも理由のひとつかもしれません。
でも、本当に『毛糸の花』だったら、すごく色が限定されてしまいますから、
手芸洋品店には赤や黄色のような明るい色ばかりで、紺などの深い色がなかったことでしょう。
メルヘンチックでかわいいかもしれませんが、目がチカチカしそうです。

定期的に生けかえてそれぞれのお部屋へ飾るこれらのお花たち。
掛け軸共々、和室の雰囲気を彩るものでございます。
月光園をご利用の際にはぜひ、客室や館内様々な場所を彩る姿もお楽しみいただけたらと思います。

平成19年9月8日(土)
有馬温泉月光園 岡本

アサマフウロが元気だそうです!


現在六甲高山植物園では、ロックガーデンでアサマフウロが見ごろだそうです。
鮮やかな紫の花弁が五枚。湿り気のある高原の草地などに生えるフウロソウ科のお花で、
アサマフウロは日本のフウロソウ属の中で最大の花を咲かせるそうです。

フウロソウ、といわれてもあまりピンと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も最初は「ん?」と首を傾げましたが、
フウロソウというのは洋名のゼラニウム(Geranium)だそうです。
私自身長らく読んでおりませんのでうろ覚えなのですが、
ゼラニウムといえば、私はルーシー・M・モンゴメリの『赤毛のアン』を思い出します。
題名だけでも目にされた方が多いと思いますが、実はあの赤毛のアンには続きがあり、
アンの青春や、結婚後の幸福などを描いた作品が続編として出版されているのです。
その中の、あのグリーンゲイブルズに住み始めたころよりずっと大人になったアンと友達たちが
確か村の角地か叉路になった部分に植えようと言い合っていたのがゼラニウムだったと記憶しています。

10年ほど前の記憶になりますのであいまいなものですが、
プリンスエドワード島のアンの家、グリーンゲイブルズ。
今はそのモデルとなったモンゴメリーのいとこの家がプリンスエドワード島にあるそうです。
草木に囲まれた穏やかな、でも元気と笑顔に溢れた町並みを想像すると、
その町角の足元に種類は若干違っても、色鮮やかに咲き乱れていたら思わず笑顔になってしまいそうですね。

平成19年9月1日(土)
有馬温泉月光園 岡本