【有馬温泉月光園便り】有馬マニア〜戦国武将有馬氏と有馬猫騒動〜
この月光園便りを書くためにいろいろと調べ物をしていく中で、「有馬」という名前をインターネットで検索するだけで有馬温泉とは直接関係のないものも引っ掛かってくることに気付きました。
今日の月光園便りはそんな中で見つけた、有馬にゆかりの戦国武将、有馬氏にまつわるお話です。
有馬氏の由来は14世紀末、赤松義祐が摂津有馬郡の地頭職に任じられ、有馬氏を称したことに始まります。
摂津有馬郡には現在の有馬温泉だけでなく、三田市、宝塚市の一部も含まれます。
その子孫、有馬豊氏は関が原の戦いと大阪の陣での戦功により、九州の筑後久留米に加増のうえ移封となりました。
有馬氏はそのまま幕末まで存続したのですが、そんな中で起こったとされるのが有馬猫騒動です。
久留米藩主、有馬頼貴の代のこと。
酒宴の席に迷い込んだ子猫を追って、犬が宴席に入り込んできました。
子猫を不憫に思った女中、関屋は犬を退治し、その働きが認められて殿様に気に入られます。
名前も関屋からお滝の方と改め、殿様の寵愛を受けたのですが、同じ女中から嫉妬され、イジメを受けてしまいます。
特に老女の岩波のイジメが酷く、お滝の方は悩んだ末に自殺してしまいます。
お滝の方に仕えていた女中はこれに怒り、岩波に敵討ちを挑みます。
しかし、岩波は薙刀の名手であったため返り討ちになりそうになるのですが、そこに怪獣が現れ、岩波を喰い殺してしまいます。
怪獣の正体はお滝の方が救って可愛がっていた猫でした。
その後この猫は変化し、殿様の愛妾になりすましたり、といった様々な悪事を働いた末、退治されてしまいます。
後のたたりを畏れた久留米藩は、江戸の藩邸に怨念を慰めるための猫塚を建てました。
今も東京港区三田に猫塚が残っているそうです。
この有馬猫騒動ですが、鍋島猫騒動、猫神さんのお松大権現と合わせて日本の三大化け猫話の一つとされています。
どれも西国のお話、というところが興味深いですね。
有馬猫騒動は戦前に映画化もされており、1936年に無声映画として公開されたようです。
有馬というのも歴史が長いだけに、調べればまだまだいろんなお話が出てきそうですね。
お調べして、この月光園便りでご紹介していきたいと思います。
平成18年8月3日(木) 有馬温泉月光園 奥平
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