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有馬温泉 月光園便り

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【有馬温泉月光園便り】有馬温泉の歴史”行基上人と有馬温泉”

 舒明天皇と孝徳天皇の行幸で有名になった有馬温泉ですが、その後徐々に衰退に向かったようです。これを復興し、現在の有馬温泉の基礎を築いたのが名僧行基上人と言われております。

 行基上人は聖武天皇の信任があつく、主に池と作ったり、溝を掘ったり、橋を架け、お堂を築くことに力を注いだ高僧です。

 行基が大池を掘っていたときに出会った人に、「私は体の中に悪い腫れ物ができ、数年来苦しんでおります。聞いた話ですが、有馬の山の中には温泉があり、病気にたいそう効くそうです。どうか私をそこへ連れて行ってくれませんか。」と懇願されたそうです。哀れに感じた行基上人はその人の願いを叶えるために、有馬に連れて行くことになります。有馬に行く道中、様々な人の願いを叶えてやると、その人は不思議なことに金色輝く御仏の姿となり、有馬温泉を復興するようにと言って雲に乗ってはるかかなたへと飛び去ったという伝説が残っております。

行基は感嘆し、如法経を書写して泉底に埋め、等身大の薬師如来像を作り、お堂を建てて納めたといわれております。これは薬師如来が温泉を復興させ、行基上人に有馬温泉発展の基礎を築かせたとされており、行基上人がここにお堂を立てて以来、約370年間有馬は、国のような賑わいを見せたと伝えられております。

平安時代に入って、各種の文献にも散見されるようになり、多くの文人や天皇、また重臣達が有馬を訪れるようになりました。清少納言も訪れたようで、枕草子のなかで有馬の湯を書いております。つまりこの当時から有馬温泉は天下三大名湯として高い評価を受けていたということが分かります。

平成19年5月14日 有馬温泉月光園 門口