鴻朧館
游月山荘

有馬温泉 月光園便り

有馬温泉 月光園よりお得な情報をお伝えします。

【有馬温泉月光園便り】地獄谷

今日は、有馬温泉の“地獄谷”についてのお話。

写真では見難いと思いますが、看板の内容は下記の通りです。

====================

       地獄谷

 射場山と愛宕山との間の谷を地獄谷と呼ん
でいます。
 ここは、数十万年前の地殻変動のときにで
きた射場山断層です。
 この谷には、鳥地獄・炭酸地獄・虫地獄な
どがあります。射場山断層の割れめから、た
くさんの炭酸ガスが噴き出て、虫や小鳥など
が死んだところに、この名の由来があります。
 また、この付近に湧き出ている炭酸水は、
かつてその成分がわからず、町民から「毒水」
として恐れられていましま。
 この毒水の湧き出ていた「血の池」という
炭酸泉に目をつけた三田城主の山崎家盛は、
慶長2年(1597年)に温泉場をつくろうと
しました。これに驚いた町民は、太閤さんに
直訴し、その工事をやめさせました。家盛は
激怒して、当地の住民を皆殺しにすると言っ
たという話が残っています。
 明治以降に、虫や小鳥などが死んだのが、
炭酸ガスのためであるとわかりました。それ
からは、炭酸泉の掘削が行われ、湧き出た炭

酸水は良質のおいしい飲料水として評判とな
りました。
 この地獄谷を訪れ、鼓ヶ滝を巡るコースは
古くから湯治客の散歩道として親しまれ、鎌
倉、室町時代の五山文学の詩集などにも登場
しています。

====================

と、言うように非常に身体に良いとされる炭酸泉も人々に理解されるまでにかなりの時間を要した事が伺えます。

今ではその名残は全く無く、「湯山稲荷大名神」を祀る鳥井と小さな社、そしてその脇の山中に「炭酸地獄」と書かれた古い石碑が有るのみです。

こちらは、有馬温泉の外周の山中に位置しており、中心街から離れておりますので、観光のお客様の目に触れる事も少ないと思います。
この近くには、「有馬稲荷神社」もありますのでお時間の有る方は一度ご覧になられてはいかがでしょうか。

現在では道路も舗装され、先ほども申し上げたとおり“地獄”という言葉が当てはまるような名残はございませんが、私が想像するのは、きちんとした道路も無く獣道程度の山中だったのだと思います。そのような中、沢山の鳥や虫が同じ場所で死んでいるのを発見したらそれは恐ろしい事であったと思います。“地獄”のように映ったとしても不思議ではないですね。

と、言うわけで歴史的な物をただ何気なく見るのではなく、いろいろと想像を膨らませてみるのも面白いのではないでしょうか。

平成19年6月7日(木)
有馬温泉月光園 幸坂