今日は缶ジュース発売記念日。
1954年(昭和29年)、今から54年前の今日、明治製菓が日本初の缶ジュース、“明治オレンジジュース”を発売したそうです。
「そんなに近い過去の事だったのね」
という感想が、缶ジュース誕生日を知った私が思ったことです。当たり前にあるものの歴史が、予想より身近だと不思議な感じがします。
子供の頃、私は乗り物酔いが酷い子供でした。酷いというよりも乗り物に乗れば必ず酔う為、子供心に『酔ったら疲れて後で遊べない』という判断の元、ずっと寝ているような子供でした。
電車で田舎へ帰るとき、歩いているときは楽しそうなのに、乗り物に乗ってしばし。日頃から、大人しくなった時には寝ているか、具合が悪いか、何か口に入っているかのどれかだと言われ続けている私。
電車に乗ると大人しくなり始める私に、いつも祖母が買ってくれたジュースは粒入りのぶどうジュースでした。白地に紫のぶどうの絵が書いてあった、細身の缶。
確か、まだ4~5才の頃の記憶です。
その頃に缶ジュースを目にしていた為、もっとずっと前から缶ジュースがあったのではないかと、厳密に考えたことがなくてもイメージとしていたのです。
しかし、よくよく考えてみれば、当時缶ジュースが当たり前に売られているものの、駄菓子屋さんやパン屋さんでは瓶入りのジュースが売られていました。1.5リットルの瓶ジュースは空瓶を2本返しに行くと確か5円もらえた記憶があります。
そういえば1リットルの紙パックの牛乳やジュースを売っている自動販売機もありました。
牛乳を買ってきてと頼まれて、ちゃんと牛乳のボタンを押したのに、ミックスジュースが出てきたときの衝撃と困惑は忘れません。あんまりびっくりしすぎてそのまま取り出すのが何故か怖くて、一度家に帰りました。
今考えると、とりあえずお店の人に言えばよかったと思うのですが、ピッカピカの小学生だった為、『とりあえずお母さん!』だったのでしょう。
そんな小学生時代に読んでいた本で環境問題と出会いました。
缶がリサイクルされることもそのときに知りました。
プルトップを集めて車椅子を作る団体もあり、保存に便利な缶容器は使った後もリサイクルだけでなく人の役にもたつようになって来ています。
50年の歳月を過ごしているのは缶ジュースも游月山荘の建物も同じ。
時代の流れの中で缶はリサイクルやボランティアもできるようになり、游月山荘はゆっくりと味わいのある色を重ねています。
そう考えると、50余年の歳月は近い過去のようであり、十分に遠いともいえるのかもしれないと思いました。
平成20年4月28日(月)
有馬温泉月光園 岡本
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